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フードコーディネータ養成
2005年を振り返って
 11月7日(月),11月12日(土)の両日にDブロック(コンセプトプランニング)の講座を終了した。
フードコーディネーター養成の講師を務めて2年目を迎え、久しぶりにこのコーナーの原稿を書こうと、今年一年を振り返ってみた。熱い思いに翻弄し、全くの試行錯誤状態の一年目に比べ、各ブロックの講義内容を落ち着いて的確に伝えられたように思えてもいれば、新しい事へのチャレンジで、試行錯誤に磨きをかけたかのような二年目を過ごしてきたかのようにも思える。
チャレンジしてきたのは以下の5点
・ ジャンボ菌草椎茸のテイスティング&農場の見学
・ 減農薬農場の水田見学
・ レストラン厨房見学
  (潟Jリーナさんの協力を得て)
・ Cブロックの一部を担当
・ カフェプランナー講座の実施
日本唯一、県内で生産を開始した直径20cm弱の香り豊かで軟らかいジャンボ菌草椎茸にめぐり合い、受講生さん達に私が味わった感動を伝えるべく企画したテイスティングや農場見学。無農薬と言いたくも複合汚染により減農薬としか言いようのない農家の方々の苦労を肌で感じて欲しく実施した収穫の時期の水田見学。隣の水田の稲と比べて太さと背丈の違いにビックリしたし、野菜の栽培状況や現状、味わいに受講生さん共々感動してきた。
今回終了したDブロック(フードショップコンセプトプランニング)は、レストラン経営者との人脈をつくり、見学する機会の少ない現場を五感で感じて頂く為にレストラン厨房見学を実施している。
月曜のコースでは、2005年6月にオープンしたばかりのDi VERDEエスパル店を見学する事が出来た。この事は、少なからず受講生さんたちの心に響き、貴重な体験として記憶されるに違いない。
そして、私がこの講座をお引き受けした当初からの願望だったCブロック:サービス&コーディネート&スタイリングの担当を今年実現できたのはとても嬉しかった。
お客様の気持ち、スタッフの気持ち、関わる人の「心」を中心にCS(カスタマーサティスファクション)&ES((エンプロイーサティスファクション)について講義できたのは嬉しさあまって、何か受講生さんたちにできる事はないかと考え、作品展をご紹介出来るようになった。カフェプランナー講座は、フードコーディネーター講座の修了生さんの協力を得て、実施可能となったとても意味深いもので、小さいながらも人の輪(和)ができつつあり、頑張りがいもあった。様々な課外授業に出かけたのは受講生さんと共に心に響く貴重な体験となり有意義な時間を共有できた。

私は、今回Dブロック終了を迎える月曜&土曜のプレゼンテーションを通して、受講生さん自らプレゼンテーションを楽しんでいるように感じた。「人前で自分の考えを的確に伝える事」を苦手とする受講生さんが多い中、自らが自己発表の場を作りたいとオリジナルのチョコケーキが登場したり、収穫から調理までお母様の手で、という色鮮やかなラズベリージャム&香り豊かなゆずジャムがお仲間の受講生さんのバックに治められるというなごやかなプレゼンが披露され、ブロック最終日のプレゼンテーションで、これほど心弾んだ事はなかったように思う。
タイミングとして、ブロック途中に3級受験という受講の節目ともいえる資格試験をみんなで体験し、仲間意識を深め発表の緊張感を和らげたようでもあり、又、チャンスを見つけては自分の考えを発表する機会を重ねてきた来た事が実り始めたようでもある。何が理由なのかは別として、大きな手ごたえを実感している。

結局、講師として2年目を過ごしている今も相変わらず試行錯誤は変わらない。けれど、その試行錯誤の中にある伝えたい思いを受講生さんたちは知っているようで、一人一人の朗らかな笑顔が物語っているのではないだろうか。  
この講座を担当してから常々感じていたが、フードを勉強している人は真面目で心優しい人が多い。今年最大のハプニングとなった、交通事故による36日間の入院からリハビリを経てびっくりするような速さで仕事復帰できたのは、私の講義を心待ちにしてくださった優しい受講生さんからの温かい励ましの声によるものだった。私の試行錯誤の中に託す「食」と「人」への熱い思いを真摯に受け止め、講師と受講生さんという立場を逆転して皆さんに見守られて講義を進めているのかもしれない。
装いを見比べてみると、四季の移り変わりを感じるものの、「食」を通して学んだ揺ぎ無い真実が受講生さんたちにたくさんの幸せを運んでくれるようにと願っている。
初めての受講生さん達と共に
初めての受講生さん
2004年11月13日。
土曜日のコースの中でニ回目のブロックが無事終了した。
6月に終了したコースのブロックなので、気心の知れたお馴染みさんが何人かいる。
正直、ホッとする思いでスタートしたものの、より興味深い授業内容にしなければ…
という思いとで相変わらず試行錯誤である。 

『飲食店の厨房設計』の授業の時であった。

私は、常に仕事は現場を知る事から…と動き回っていたこともあり、つい口から『現場見たいよね』 と滑り出てしまった。 受講生さん達は一瞬目が点になり『見学ってできるんですか?』と返事が返ってきた。

幸いにも私がヒューマンアカデミーの講師をお引き受けするに当たり、サポートして頂くお約束を頂いていた事が功を奏して、『厨房見学会』を快諾して頂いた。

私にとって、初めての課外授業であり、どちらかというとヒューマンサイドの許可の方が不安だったのも現実である。が、これまた企画そのものを喜んで頂いた事で、トントン拍子にお話しがすすんだ。 見学に選んだDUCCA仙台駅前店は今年春にオープンして以来、人気店となっているうえ、学校から徒歩5分の距離で都合がいい。フロアーは170名収容という比較的大型なのに厨房はとてもコンパクトで動線を考慮した見事な設計である。
料理長さんの説明を受けながら、受講生共々良い経験をしたと喜んでいる。

今回の経験を通して、理論も大事だが、五感で感じ、育てる事の重要性を改めて実感したのは大きな収穫であった。 授業内容の充実がお料理本来の味ならば、今回のような課外授業はスパイスという所であろう。スパイスはお料理本来の味を引き立てるのが役割で、決して邪魔しちゃいけない。その辺りを念頭におき、吟味しながら継続していく事が私自身に課せられた課題となりそうだ。
受講生さんと一緒に又一歩ステップを上れた気になって気分良く10回目の講義を終了した日、新しい受講生さんを交えて記念撮影に至った。
2つ目の講座終了
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初めての受講生さん達
2004年4月17日…
私は始めて生徒さん達の前に立った。
な、なんと講師としての大役をおおせつかったのである。
事の起こりはこのホームページ「プチNET向日葵」がヒューマンアカデミー仙台校の学務担当者の目に触れ、フードコーディネーター養成講座の講師依頼が舞い込んできた。
従来から、後進の育成は大切な事業と認識していたものの、お引き受けするべきか否か随分と思い悩んだ中、「お声がかかったことは何かのご縁かなぁ。」と一念発起したのである。

そして私は、受講生さん達に恵まれた。
1回目の授業が終了した後に残って質問してくれたAさん。その夜にホームページに書き込みをしてくれたBさん。受講生さん達の反応に私は手ごたえを感じ、少しでも役立つ情報を伝えたいという気持ちが膨らんだ。授業に目を輝かせ、うなずきながら耳を傾けてくれている彼らにいつしか「やりがい」を感じ、頭の中から授業構成が離れなくなった。試行錯誤の中、必死に授業に向けて準備を整えた姿勢が生徒さん達に伝わったようで、回数を重ねるごとに空気が和み、発せられる言葉にエネルギーが満ち、学ぶ勢いが増したように感じた。いつしか私の不安は取り除かれていた。教室の中に信頼関係が芽生え、学ぶ事へのエネルギーが反射しあうようになったのである。初めての講師という職業にチャレンジして本当に良かったと思っている。

そして迎えた6月5日の最終日。
プレゼンテーションの授業を最後に1つのブロックを無事終了する事ができた。
一人一人、飲食店に熱い思いを込め、個性豊かなショップを企画しており、資金さえあれば明日にでも開店準備に取り組めそうというプレゼンもあった。
私は「受講生さん全員により進められる授業」
いわゆる参加型の授業を目標とし、無言で
仕掛けていった。その授業構成を誰もが感じ、
正面から受け止めてくれていたうえ、感謝の
言葉までもが添えられていたのは何より
嬉しかった。感受性豊かな素晴らしい受講生
さんたちである。
「先生の美味しい話し、もっと聞きたかった」とか「先生が脱線してごめんねって言っていた事が実は役に立ちそうな話しでした」とかの感想を思い出し、顔が綻んでいることに気付いては、空を見上げて思い出し笑いをしている。

彼ら1人1人の夢が実現にむかう事を願いながら、次にまた皆さんと顔を合わせるのを楽しみにしている。
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2つめの講座を終了して
2004年8月2日・・・
初めて講師をお引き受けした土曜日14:00からのブロック終了間際と重なって月曜日夜に新しいブロックが開始となり、2004年8月2日、10回の講義を無事終了した。
様々な様子を肌で感じ、無我夢中だったようにも感じられた。

それは、曜日と時間帯が違うことにより、慣れ始めていた生徒さんとの関係や受講の状況が全く異なる点であった。違うブロックの生徒さんたちが興味を示してくれた話題に、まったく反応が返らず、静まり返った雰囲気の中、講義内容に興味があるのかないのかわからない状況だった。生徒さん達は仕事を終えて授業に出ているため疲れていたのである。
反省しなければいけないのは私であった。気づかないうちに最初に受け持った生徒さん達と比較していたようである。個性があるのは当たり前で雰囲気が違うのは当然である。比べられるのは誰もが否な事で、私が状況を把握しきれなかったのである。これらは、ブロック開始当初に気づいて本当に良かった。
私は、初回の授業から意気込んでいて空回りしたのかもしれない。宿題を出した事に受講生さん達の反応が今ひとつなので、一瞬困惑もした。時間のない人はやらなくてもOKで、期間を2週間とし、できる人だけで良い事として乗り越えた。
当然、宿題をやってこないだろうと予測していたが、嬉しい大はずれとなり、みんなきちんと取り組んでくれていた。
同じ頃、救いの神もやってきて、途中入校の方にマンツーマンで補講する機械に恵まれ、意見交換が図れた。一人でも思いの通じる人がいると思うとやりがいにつながる。
4回目以降の中盤になると一人一人の個性が判りかけ、話題によって興味を示す内容に違いがあるのをつかんだ。
質問に残ってくれる方も出始め、受講生さん達に気持ちが伝わり始めたのを実感できるようになってきた。
こうなると前進あるのみで、自分流に仕掛けられる。
今回の講義で最も重要なポイントとしてプレゼンテーションを掲げたが、それとは別に各計画のブラッシュアップを目的に、グループ討議の場を新たに設けた。

受講生さん同士の仲間意識をあおり、他人の意見を自分の計画に取り込めるような時間を持ちたくて設定した。予想以上に各GP活発な討議が進められ、「教室の後ろ側にGPを組むと声が廊下に漏れるから前方に席を移しましょう!」と嬉しい声がけができるようになった。最終的には2名の講座修了者と共に全員で記念撮影ができる程良い笑顔に囲まれて10回の講座を終了した。
『Dブロック/フードショップコンセプトプランニング』というブロックは自分なりのコンセプトプランをコツコツと練り上げる非常に難しい内容である。私は、講師として仕事に当たる時、「母」としてのポジショニングをとろうとするが今回のブロックは毎回、必死で未熟さを乗り越える状況だったように思う。気がつくと受講生さんに達に微笑みが浮かべられていて、逆に見守られていたような気がしてならない。このブロックを終了して、講義内容とは別に一番成長したのは私なのかもしれない。なぜなら、ブロックが終了したとき、「やった〜」という達成感よりも感謝の気持ちで一杯だったからだ。


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